【月刊あったかいご通信令和6年10月号】小規模多機能型居宅介護が伸び悩む理由・介護×フィットネス

小規模多機能型居宅介護が伸び悩む理由とは ~介護保険報酬の構造から見る小多機

 今回は小規模多機能型居宅介護(小多機)についてご紹介します。

 小多機は、介護保険制度導入から6年後に設けられたサービスですが、2024年3月時点で、事業所数は5474ヵ所に留まり、4年前の水準を下回り、成長が鈍化しています。

一方、認知症向けのグループホーム1万4328ヵ所で、小多機の4倍近い規模です。

 小多機は「通い」「訪問」「泊まり」の3サービスを組み合わせて提供でき、特に認知症の人に適していると評価されていますが、広がらない要因として「収益の確保が難しい」という事業者の声があります。介護報酬の差が大きく、要介護2以下の軽度利用者が多いと経営が難しくなります。

 サービス導入時、厚労省は中重度利用者向けのサービスとして想定し、報酬もそのように設定しましたが、実際には要介護2以下の軽度利用者が多いのが現状です。一方で、認知症向けのグループホームは報酬の差が小さく、運営しやすいことが普及の一因となっています。

 今回は小規模多機能型居宅介護の現状についてご紹介させていただきました。サービスによっては保険報酬を確保しにくく運営が難しいものも存在する。弊社は皆様の事業計画を策定し、安定した経営ができる介護福祉施設の新規開設をトータルサポートいたします。介護福祉施設の新規開業は是非弊社までご相談ください。

 

介護×フィットネスの新たな可能性 ~拡大するヘルスケア市場の今

 近年、フィットネスクラブのトレーナーが介護施設で運動プログラムを提供する事例が増え、入居者の満足度向上やスタッフの負担軽減に貢献しています。介護事業者がフィットネス事業に参入するケースも増加中です。

 2024年度には国内のフィットネス市場規模がコロナ前の7000億円に達する見込みです。主要なフィットネス事業者は、2023年末時点で5900店舗を展開しており、2020年度末から1000店舗以上増加しました。

 また、介護保険外の収益源として、多世代向けのフィットネス事業に注力する事業者も現れ、幅広い年齢層が利用しています。軽度の要介護者も自分のペースで運動を楽しむことができるフィットネスジムは、リハビリデイサービスとは異なる柔軟さが特徴。さらに、フィットネス事業が介護事業の集客経路となる可能性も秘めている。

 経営面では、保険外のフィットネス事業は規制が少なく、効率的な運営が可能です。フィットネスと介護の連携が進むことで、事業者にとっては成長のチャンスとなり、地域住民にとっても健康維持から介護サービスまで幅広い支援を受けられる体制が整えられる。

 今回は介護施設におけるフィットネスの最新動向についてご紹介しました。弊社は介護福祉施設の運営に関する情報を毎月配信しております。介護福祉施設の新規開設や運営のお悩みは是非弊社までご相談ください。