【月刊あったかいご通信令和6年5月号】口腔連携強化加算と人材開発支援助成金
2024年度報酬改定で新設!【口腔連携強化加算】
2024年度介護報酬改定では、多くのサービス種別の基本報酬がプラスとなった一方で、訪問介護の基本報酬は減算となり、厳しい内容の改定となりました。また、訪問看護では基本報酬はプラスでしたが、リハビリ職と看護師の訪問件数の割合に応じた減算が制度化されました。経営者としては減算分の補填として、新たな加算の算定をまずは検討するのではないでしょうか。
そのため今回は、訪問介護や訪問看護等で新設された「口腔連携強化加算」に触れたいと思います。
高齢者の自立支援・重度化防止のためには、リハビリ・栄養・口腔の取り組みが一体となって運用されることが重要であると、厚生労働省から繰り返し示されています。介護給付費分科会でも「歯科医療や口腔健診が必要な要介護高齢者にそれらが十分に提供されておらず、デイサービス利用者にも、必要な方に歯科医療が届いていない」という現状が記されています。
そのような背景もあり、口腔連携強化加算が注目されています。当該加算は事業所の職員が利用者の口腔状態の評価を実施し、同意を得たうえで、歯科医療機関とケアマネジャーへ評価結果を提供することなどを要件に、月一回を上限に50単位の算定が可能となります。歯科訪問診療の提供実績がある歯科医療機関へ相談できる連携体制をつくることも算定要件に含まれています。
「口腔状態の評価」が具体的に何を示すのか、どこまでの評価が必要なのかは、今後の通知等の確認が必要ですが、口の動き・嚥下機能・口腔内の衛生状態の記録が必要になると思われます。訪問介護スタッフらによる口腔機能評価により、歯科医療が必要な方を、専門職へつなぐ一助となっていくことが期待されます。
弊社は介護福祉事業者の皆様へ、報酬改定の最新情報や知って得するお役立ち情報を発信し、介護・福祉施設の新規開設を建築から運営に当たるまでトータルでサポートさせていただいております。最新の加算や減算も考慮した収支計画の作成についても是非弊社までご相談いただけると幸いです。
※出典:高齢者住宅新聞
補助金活用で人材難対策!研修費の70%支給で未経験者育成【人材開発支援助成金】
今回は、人材開発支援助成金(人材育成支援コース有期実習型訓練)について解説していきます。
助成金の概要
新卒、未経験、経験3年未満といった実務経験の浅い人を採用した場合に、正社員にすることを前提としたOFF-JTとOJTを組み合わせた研修を実施します。その研修を行ったことについて、OFF-JTとOJTの研修時間や、研修費用を補助するために助成金を支給します。
対象者
〇 採用した人の職歴として研修実施分野について過去5年以内に3年以上の正社員経験が無いこと
ただし、過去10年以内に同一企業において、継続6年以上の正社員経験がある人は対象外
〇 契約社員やパートアルバイトなどの正社員以外の雇用形態で雇用すること
〇 正社員にすることを前提として、OFF-JTとOJTを組み合わせた研修を実施すること
助成金の支給額 ※原則
◎ OFF-JT1時間あたり760円
◎ OJT研修1人につき10万円
◎ 研修会社費用への経費助成1人につき15万円を限度に経費の70%
◎ 正社員化コースの支給額80万円に訓練加算額として9万5000円プラス
キャリアアップ助成金を活用していても、この助成金を活用していない企業は非常に多いです。実務経験の浅い人を採用した時には研修をすることで助成対象となりますので積極的に活用していただきたい助成金です。
求人の際に研修の実施をアピールすることで、採用もしやすくなります。
今回は人材難への対策として補助金を活用した対処法をご紹介しました。
弊社は介護福祉施設の新規開設を建築から運営まで、トータルでサポートさせていただいております。介護・福祉事業の人材採用・育成・定着や補助金活用についても是非弊社までご相談いただけると幸いです。
※出典:高齢者住宅新聞